回Greishのアイテムを作るにあたって、私が最初に思い描いたのは、どんなシーンにも使えて、一時的ではなくずっと使い続けたいもの。
バッグといえば、洋服に合わせるものであって、鏡の前で、今日のこの服にはこのバッグ合わないなぁ…と断念して違うバッグに変えたりという事も多いですよね。
でも、『このバッグがあればどんな格好をしていても、どこに行くのにも不思議と合ってしまう』
そんな自分に寄り添うアイテム、を作りたくて私は今回の製作に臨みました。
そのためには極力カジュアル感をなくし、シンプルできれいめな作りを目指しました。
リュック=カジュアルなイメージが強いので、全体をカジュアルにしてしまうときれいめなお洋服とのバランスが取りづらい。かといって、凝ったデザインがあったりすると、リュックが主張して洋服を選ぶのが難しかったり。
意外にリュックを使いこなすのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか?
上質な素材にするだけで、洋服との距離が縮まりバランスも取りやすくなるのですが、
もう少し上品さをプラスしたくて、金具にもこだわりました。

最初は高級アパレルでも使われるスイスの某メーカーのものがデザインが素敵で、それを使いたい!と提案したのですが、それを使う事で価格がすごく高くなってしまう…(ファスナーの引き手だけで数千円〜1万円位)という事が発覚し、断念。
それでもおしゃれな引き手を使いたいという気持ちが諦めきれず、色々探した結果、最終的に高品質でおなじみのYKKで、今回引き手の形やブランド名の刻印をオーダーで作ってもらう事にしました。

これも私的こだわりなのですが、アクセサリーを買うとき、大ぶりのものは必ずシルバーの色のものと決めています。
なぜならゴールドのメッキだと安っぽく見えてしまう気がするのです。18Kとか10Kならいいのですが、大ぶりだと値段が高くなってしまうので、買いやすいものはたいていが金メッキ。金メッキだと使い続けるうちにはげてきてしまう事もあるし、何より金の色や輝きが違うのです。
その点、シルバーの方がメッキがはげても色はシルバーのままで、色も違いはほとんどないので不思議と安っぽく見えないのです。
なので、今回の引き手も迷わずシルバー色の引き手に決めました。
こちらは通常使われるニッケルのメッキなのですが、メッキのランクを上げてもらう事で、表面がざらついていないツヤツヤな仕上がりに。
これを何と!リュックには贅沢に9個も使っています。
引き手の大きさも、小さすぎると開けにくくなってしまうので、ある程度の大きさをキープして使いやすくしつつ、主張しすぎないバランスを意識しました。
金具の厚みもしっかりあるので、全体はシンプルなのに高級感と華やかさが加わり、ワンピースなどの女性らしい格好にも、通勤スタイルにも合わせてもらえたら…と思っています。もちろんカジュアルな服装にも、洗練された大人っぽい雰囲気で持っていただけると思います。

子どもといるとアクセサリーなしの日も多かったりして(私だけかもしれないですが)、本当はつけたいけれど邪魔になるし、そんな時間もなく準備でバタバタだったりして…
そんな時もアクセサリーの代わりにきっとなってくれる事を期待して。


企画担当
タローさんの
ウンチク


企画担当
タローさんのウンチク
「ファスナー」のウンチク
1 引手
今回の引手は従来の商品同様、丸い穴の空いた形状を採用しました。
また、引手自体を厚くして握りやすさと汎用性を重視しています。
ある程度の厚みがあることで指に伝わる感触がしっかりとしたものになり、力を込めやすくなるのと、ちょうど指の腹に引手の穴がくるので、引っかかりができて握りやすくなります。
また、穴のサイズも付属のカラビナも入る大きさにしてありますので、キーホルダーや南京錠タイプの鍵なども装着が可能で、近距離から長距離の移動まで、いろいろなシーンで工夫して使用頂けるようになっています。

2 ファスナーの裏使い
もうずっと昔からある仕様で、バッグの世界でも最近では当たり前になっている裏使いですが、私個人的には20年ほど前に某テニスブランドのラケットバッグをデザインさせて頂いた際、裏使いの「見た目」的なシンプルさだけではなく、機能として有用である事に気付き、それ以来、ファスナーの裏使いを多く採用しています。(笑)
理由は、ファスナーの構造的なものです。
今回使用しているファスナーは「コイルファスナー」と呼ばれているもので細い棒状の材料をコイル(渦巻き状)にしてベースの生地に縫い止めています。
そもそもこの縫い留めている糸は丈夫で、通常の使用には何ら問題ありませんが、ごく稀に使用状況や環境によって摩耗し、コイル状の部品が取れてしまうケースがあります。
例えば、ファスナー部分をコンクリートの壁に擦ってしまい、その拍子に縫い付けている糸がダメージを負ってしまうとか…。
部活動を頑張っている学生さんのバッグなどもたまに見られる現象です。
これを裏使いにする事で、外的な摩耗要因から取り付け縫製部分を守る事ができます。
この商品は、できる限りファスナーをカバーする様に「雨被せ」という造りにしておりますが、それが適さない部分も含め、全て裏使いにしています。



3 スライダーの収納機能
これも旅行用バッグや洋服などでも良く使われている仕様ですがスライダーを隠す事ができます。
スライダーというのは、ファスナーを開閉する際に移動させる金具の事です。

ファスナーに接触している指の爪程度の大きさの金具です。
この機能を採用した理由は2つ。
・引手も一緒に固定されてチャラチャラしない
・押し込む事で引手が目立たなくなり、防犯上、安心できる
です。
従来のモデルでは底部のファスナー部分だけに採用していましたが、今回は背面ポケットと本体口前部分以外のファスナー全てに採用しました。

グッと差し込むのは手間なので、あまり使われない機能かもしれませんが(笑)一度、お試しください。「閉めた」という安心感はきっと気に入って頂けると思います。